こんにちは、キシ設計plusです。
皆さんは普段、洗濯物をどこに干していますか?
「雨の日や夜でも気にせず干したい」「花粉や黄砂が気になるから室内干しにしたい」という方が増えています。室内物干しの定番といえば、お庭やベランダに後から取り付けるガラス張りの「サンルーム」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
郊外の分譲地などでは、お家に後付けのサンルームが設置されているのをよく見かけます。
そんな中、私自身の実体験として非常に実用的だと実感したのが、「天窓(トップライト)」と換気用の「外壁の窓」を組み合わせた室内物干し空間です。
今回はその経験をもとに、家事がラクになり、かつ建物の美しい外観をそのままキープできる室内物干し空間のアイデアをご紹介します。
1. 「太陽の熱」を閉じ込めて、カラッと乾かす仕掛け
「部屋の中に干すと、暗くて乾きにくそう……」と思われるかもしれません。ですが、頭上にある窓(天窓)は、光を効率よく取り込む上で非常に優れた特徴を持っています。
実は、日本の建築基準法という法律でも、「天井に設けた窓は、通常の壁の窓よりも高い採光効果がある」と認められて計算されています。これは、真上の空が最も明るいという光の性質を活かしているからです。
この物干し部屋は、戸でしっかり区切られた空間になっています。そこに天窓からダイレクトに日光が差し込むことで、お部屋全体の温度がグンと上がります。この「ポカポカに温まった空気の熱」を利用することで、日中の室内干しも非常に効率よく、カラッと乾かすことができます。
壁に大きな窓を作らない分、物を置く棚をたっぷり作ったり、アイロンがけができるカウンターを設置したりと、壁面をフルに家事スペースとして活用できるのも大きなメリットです。
2. 天気に左右されない!雨の日でも乾かせる安心感
室内物干し部屋のもう一つのメリットは、何といっても「雨の日でも洗濯物が濡れる心配をせずに干せること」です。
実は私自身、「冬場は外の冷気を入れると室温が下がり、空気が抱え込める水分の量が減ってかえって乾きにくくなるのでは?」と考え、いつも窓を完全に閉め切って干していました。この方法でも2日ほど時間をかければ乾くのですが、寒くない季節では1日あれば乾いていた事もあり、やっぱり「もう少し早く乾いてほしいな……」と思うのが本音でした。
そこで効率良く乾かす手法として知ったのが、外壁側に設けた「換気用の窓」をほんの少し(こぶし1個分ほど)だけ開ける方法です。
洗濯物を干した直後など、湿気が一番こもるタイミングでピンポイントに窓を開ければ、天窓の光で温まった室温をなるべく下げずに、パンパンに溜まった湿気をサーッと外へ逃がすことができるそうです。「室温キープ」と「湿気排出」のバランスを窓の開け閉めでコントロールするこの方法が2日かかっていた冬の部屋干しがどれくらいスピードアップするのか、私も次の寒い季節に試してみたいと思います!
3. FIX型の天窓と採光及び通風ができる勝手口ドアで叶える、賢い換気と家事動線
こうした実用性とデザインを詰め込んだ設計事例として、キシ設計plsuのWORKSに掲載している注文住宅をご紹介します。
こちらの物干し部屋では、天井に「開かない天窓(FIX窓)」を採用し、光だけをたっぷりと取り込んでいます。可動部がないFIX窓にすることで、コストを抑えつつ雨漏りリスクを最小限にできるのがメリットです。
その代わり、壁面には「突き出し窓」と、扉を閉めたまま上下のガラスをスライドさせて通風・採光ができる「勝手口ドア」を配置しました。
そして、この部屋のもう一つのこだわりが「引き戸で空間を完全に仕切れること」です。
洗濯物をカラッと乾かすためには、天窓から差し込む太陽の熱で温まった空気を部屋の中に閉じ込めることが欠かせません。空気は温度が高ければ高いほど、水分をたくさん抱え込める性質があるからです。このように戸を閉め切ることで、せっかくの暖かい空気を他の部屋へ逃がさず、効率よく室温を上げて乾燥を促すことができます。
鍵をかけたまま安全に換気ができる壁面の通風ドアと、熱を閉じ込める引き戸も設けています。この組み合わせがあるからこそ、夜間や外出時でも安心して干したままにできます。
この室内物干し部屋を取り入れた物件は、住宅密集地でありながらプライバシーを保ち、光を豊かに取り入れた開放的な暮らしをデザインしたモダン住宅です。住まいの全体像については、WORKSのページにあるHOUSE 注文住宅|外に閉じ、内に開く「コの字型中庭」のあるモダン住宅で詳しくご紹介しています。
また、このお家が「どのように光を採り入れ、快適な空間を生み出しているのか」という設計の手法については、過去のブログ記事「住宅密集地で視線を遮る間取りは?コの字型中庭で叶う明るいモダン住宅の設計手法」でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
4. 建物の外観を損ねない、スマートなデザイン
そして、このタイプの最大の魅力が「お家の外観デザインを損なわないこと」です。
一般的に、後付けのサンルームを外壁に取り付けると、洗濯物が外から丸見えになってしまったり、建物の元々の外観デザインと調和しづらくなったりしがちです。
ですが、最初から建物の一部として物干し部屋を計画すれば、外からの視線を遮り、生活感をすっきりと隠すことができます。お家の洗練された外観をキープしたまま、利便性の高い室内干しスペースを確保できるのは、注文住宅ならではのメリットです。
おわりに
日の洗濯は、ほんの少しの窓の配置や間取りの工夫で、その快適性がガラリと変わります。私自身の暮らしを振り返っても、冬場の乾きにくさというリアルなもどかしさを経験しているからこそ、「室温を保ちながら、いかに湿気を逃がすか」という空気の性質に配慮した間取りの工夫を、設計の中で大切にしています。これからお家づくりをされる方にとって、今回の物干し部屋のアイデアが、家事ストレスを軽減するためのひとつのヒントになれば幸いです。「毎日の家事をラクにしたい」「外観がすっきりした洗練されたお家にしたい」という方は、間取りのご相談など、ぜひお気軽にキシ設計plusへお声がけください。
